ギターを演奏する上でケーブルの煩わしさを感じたことはありませんか?
スタジオやステージ上でケーブルがあるせいで動きにくかったり、自宅でも機材まわりがごちゃごちゃしたり…
そんな悩みを少しでも軽くしてくれるのがワイヤレスシステムです。
高価なものも多いですが、今回は価格の安いワイヤレスシステム LEKATO WS-80 を購入したので紹介します。
LEKATO WS-80の特徴
LEKATO WS-80は通常のワイヤレスシステム同様に送信機と受信機の2つのユニットで構成されています。
送信機をギターに、受信機をアンプやエフェクターに接続することでケーブルを使わずに演奏ができるようになります。
この製品は 2.4GHzの周波数を使用しており、低ノイズ、低レイテンシー(ワイヤレスによる音の遅れ)となっています。
有効範囲(どこまで遠くまで離れられるか)は 20m 以上(公表値)です。
そんなに遠くまで離れて試したことはありませんが、一般的に想定されるような使い方は問題なくできます。
それぞれの本体にはUSB端子がついており、充電して使用します。
フル充電後の動作時間は最大 8 時間(公表値)なので、前日に充電しておけばスタジオ練習で使う際にも心配する必要はまったくありません。
普通に使っていても「この前充電したのいつだっけ?」と思うほど減る気配がありません笑
音質
実際に使ってみたところ、ノイズに関しては特段大きく出ることはなく、有線と変わらず良好。
ただ音質面で少し気になる点があるので、ここからは有線と無線の違いを比較していきます。
有線と無線の比較検証
使用機材
・テレキャスター
・CANAREのケーブル
・ LEKATO WS-80
ケーブルはどこでも安く販売されているカナレを選んでみました。
それではすべての条件を揃えて録音したので、それぞれの音を聴き比べてください。
※スマートフォンのスピーカーだとわかりづらいのでイヤホン・ヘッドホン・モニタースピーカー推奨
CANAREのケーブル
LEKATO WS-80
比較してみて感じたこと
カナレはいい意味で味付けのない安定した音って感じです。
一方のWS-80は、ハイが落ちて、もやっとしているようにきこえませんか?
カナレで弾いた後にワイヤレスにすると気分良く演奏ができないです笑
この点に関してですが「どこを軸に音作りをするのか」である程度の改善は可能でした。
たとえばアンプのセッティングでハイを上げて少しローを下げると、まったく同じではありませんが有線の音に近づけることはできました。
LEKATO WS-80(ハイ上げ・ロー下げ)
改めて先ほどのCANAREをきいてみると…
若干音ヤセはあるものの聴き比べたらわかるかなという程度です。
でもちょっとローを下げすぎたかも…
今回は ささっと調整しただけですが、もう少しEQをつめれば近づけることはできそうです。
ということで、
・無線を軸に音作りをして、有線の時に補正する
もしくは
・有線を軸に音作りをして、無線の時に補正する
のどちらかで対応すれば問題なさそう。
また、マルチエフェクターを使っている場合は無線用と有線用それぞれのプリセットを用意しておき、練習環境に合わせて選ぶと楽ですね。
価格
WS-80はAmazonでよくクーポンが発行されているので表示金額よりも安いことが多く、時期によって変わりますが大体5000円前後くらいで購入できます。
なので価格面に関しては他のワイヤレスシステムと比べてとてもリーズナブルです。
よく話題に上がるXVIVEのXV-U2はその2倍くらいの価格なので、そこまでの予算はないけれどワイヤレス環境を試しにちょっとやってみようかなと思う人にはぴったりだと思います。
ワイヤレスは若干コストがかかるように感じるかもしれませんが「ケーブルの煩わしさから解放されて演奏に集中できる自由さ」は一度経験する価値があります。
長い目で見ればきっと投資に見合った成果がでると思います。
ちょっとお高めのXVIVE…試してみたい!
ワイヤレス環境でよかった瞬間
そもそもワイヤレスにするメリットはもちろん「ケーブルがないこと」に集約されますよね。
では「ケーブルがないからどんないいことがあるか」という、さらにその先をイメージしてみたらどんなことが思い浮かびますか?
ここからは、僕が「ワイヤレスでよかった」と思った「ささやかな瞬間」をいくつかご紹介します。
先に言っておきますが、本当に些細なことが多いです。
でもまだ持っていない人にとって、少しでもイメージをもってもらえるんじゃないかと思います。
そして「5000円くらいなら持っててもいいか」と思うのか、「その程度のことなら今あるケーブルでいいや」と思うのか、導入する上での判断基準にしてもらえるとうれしいです。
演奏中に気軽に移動できる
ギターをエフェクターやオーディオインターフェイスに繋いで弾く時、どこにいて、どんな姿勢をしているでしょうか?
PCデスクでYouTubeを流しながら弾いていたり、気分によってはソファに座って弾いたり、はたまた立って練習したりなど、実はギターを弾くだけでもいろんな場所や姿勢になっていることに気づきます。
ワイヤレスにすることによって、デスクにいようがソファに移ろうが、ケーブルの取り回しにまったく制限されずに自由に移動しながら練習することができます。
部屋がすっきりする
アンプやエフェクターにケーブルを繋いだままにしていて、部屋が少しごちゃごちゃすることってありますよね。
だっていちいちケーブルを片付けてまた出して…ってすごく面倒だから。
でも今はエフェクターとギターに挿したまま練習を終えることができるので、部屋がすっきりします。
部屋がごちゃごちゃする要素をたった一つなくすだけでこんなにすっきりするのか!とちょっと感動です。
準備や片づけが早くなる
↑で話したことと重複するかもしれませんが…
スタジオなど家の外で演奏する時には準備や片付けをできるだけぱぱっとすませたいですよね。
ワイヤレスにしていると、ケーブルを広げたりくるくるまとめたりする必要がなくなります。
片付ける時なんて、さっと抜いてバッグにポンと入れればOK。
練習に集中できる
自宅で練習している時にケーブルがあると、キャスター付きの椅子で踏んでしまったり、体勢を変える時にケーブルの位置を整えたりなど、ちょっとしたストレスを感じていました。
たかがそんなことで練習ができないというわけではないんですが、それを気にしなくてもいいと思えるだけでもすごくストレスフリーに練習できます。
例えるなら、有線イヤホンを使っていた時、ちょっと姿勢を変えたら引っかかって耳からはずれてしまうなんてことがありましたがBluetoothイヤホンにしたらそんなストレスはなくなったみたいな。
ストレスを感じない練習環境は、イヤホンのそれと同じくらいの変化を感じました。
懸念点
そうはいってもこの製品が完璧だとは思っていません。
充電がマイクロUSB
残念ながらtype-Cではありません。
ただ、付属のケーブルはこんな感じに分岐していて、
このケーブル1本でまとめて充電できるので、端子に関しては特段気にする必要はないかもしれません。
あとで気づいたんですが、おそらくこの製品の後継機であるWS-90というものもあり、こちらはtype-Cとなっているらしく、価格もそんなに変わりません。
購入を検討されている方はこちらのほうがいいかも。
やっぱり有線のほうが音は良い
デモ音源の通り、有線の時とは音質の差が顕著にあらわれています。
僕はこの製品に関しては、手軽さと音質はトレードオフだと割り切るようにしました。
自宅で気軽に練習するならワイヤレス。
録音やライブなど、自分が納得するいい音を出したい時には有線。
というように使い分けようと思います。
ステージでは心配
ワイヤレスは便利ですが、周囲の環境に大きく左右されることも考えられます。
ライブ会場はたくさんの人がいたり大小さまざまな機材もあります。
Aライブハウスは問題なかったけれど、Bライブハウスでは途切れることがある、ということも考えられます。
これはケーブルのストレス以前の問題で、万が一音が途切れてしまったら周りにも迷惑がかかってしまいますよね。
僕はこの製品を自宅やスタジオでは使ったとしてもライブでは絶対に使いません。
まとめ
今回は、安価にワイヤレス環境を構築する方法をご紹介しました。
実際に使ってみて、この製品はライブなど実戦では少し心配ですが、自宅練習に限定すれば非常に安くて使い勝手のいいものだと感じました。
もうしばらく使ってみて、他にも気付いたことがあれば追記します。
また価格帯の高い他の製品にも興味が出てきたのでいつか試してみたいと思います!
次のふるさと納税でやってみようかな…
ふるさと納税で音楽機材を超格安で手に入れる方法も記事にしていますのでぜひご覧ください。
コメント