IK Multimediaが大人気のTONEXの大幅アップデートを発表しました!
今回のアップデートはゲームチェンジャーともいえるもので、TONEX PedalやOneユーザーにとっては待望の進化となっています。
アップデートの背景
このアップデートが発表されたタイミングはとてもタイムリーでした。
- Neural DSPがNano Cortexを発売
- Kemperが(有料の)アップデートを発表
このように、強力な競合他社の動向に合わせたかのように突如発表されていて、業界の競争の激しさを感じさせられます。
主なアップデート内容
新たな8つのエフェクト
このアップデートで、TONEXに8つの新しいエフェクトが追加されました。
・コーラス
・フランジャー
・トレモロ
・フェイザー
・ロータリー
・スプリングリバーブ
・デジタルディレイ
・テープディレイ
これまでTONEXはアンプシミュレーションに特化していて、空間系エフェクト(リバーブ、ディレイなど)やモジュレーションエフェクト(コーラス、フランジャーなど)が不十分でした。
多くのユーザーがこのことに不満を抱いていましたが、今回のアップデートでそれが解決されたことになります。
これで機能性と、それに対する価格競争力という側面でも、競合機種に堂々と肩を並べる形になりましたね。
プリエフェクトとポストエフェクトが設定可能に!
さらに注目すべき点はプリエフェクトとポストエフェクトを設定できるようになったこと。
これって実は大きな進化なんです。
プリエフェクト
・アンプの前にエフェクトを配置すること。
・例えば、ディストーションをアンプの前に置くと、より強い歪みを得ることが可能。
ポストエフェクト
・アンプの後ろにエフェクトを配置すること。
・リバーブやディレイをアンプの後に置くと、アンプの音に広がりを追加できる。
この機能がついたことによって、現実のペダルボードのように、柔軟にカスタマイズできる環境が生まれることになりました。
自分好みの音作りの幅が格段に広がったといえます。
無料でアップデート可能
このアップデートが無料で提供されるのはユーザーにとっては素直にうれしいことですよね。
先日、KemperのProfiler Playerは有料アップデートを行っており、無料で行われることが必ずしも当然なことではないということを思い知らされたような気がします。
もちろんKemperの想定外の対応が反感を買っている事実もありますが、企業努力に対しては一定のリスペクトはもちたいところでもあり複雑な気持ちです…
2周年記念限定版:白いTONEX Pedal発売
TONEXの2周年を記念して、限定版の白いTONEX Pedalがリリース。
コレクターアイテムとしても魅力的ですし、すぐに使える多彩なサウンドが用意されているのは初心者の方にとっても優しいですね。
TONEX vs Nano Cortex それぞれの強み
ここで、最近話題のNano Cortexと比較してみましょう。
TONEXの独自の強み
●AmpliTube 5 Xとの連携
TONEXを購入すると、あの最強アンプシミュレータープラグインであるAmplitubeのライセンスが無料でついてきます。
今回、プラグインとTONEX本体の、2つのプラットフォーム間をシームレスに連携できるようになりました!
これにより、さらに多彩な音作りが可能になります。
安定した音作りを目指す人にはこの点はとても魅力的ですね。
また、TONEX Live Editorというリアルタイムエディターが導入され、プリセットの調整や連携がさらに簡単になっています。
●自由にエフェクトの順序を変更可能
Nano Cortexではエフェクトの順序が固定されていて変えられないので、順序を変えられるのはTONEXの強みといえます。
音作りにこだわりたい人にとってはこれは大きなポイントですね。
Neural DSP Nano Cortexの独自の強み
●Bluetooth接続
スマートフォンやタブレットとワイヤレスで接続し、プリセット管理やパラメーターの調整が可能。
直感的な操作をしたい人には便利です。
●Adaptive Noise GateとTranspose機能
不要なノイズを劇的に低減したり、ギターのチューニングを自然に変えたりできます。
いろいろなジャンルや曲に対応したい人には便利な機能です。
Neural DSPの技術の素晴らしいところはなんと言っても「すぐに良い音が作れちゃう」ということ。
少し高めの価格設定のラインナップですが、一度触ってみると納得させられます。
おわりに
今回のアップデートにより、TONEXはアンプモデラー市場での優位性を手にしたように思います。
新しく追加されたエフェクト、プリ/ポストエフェクト、AmpliTube 5 Xとの強化された連携など、これまでのユーザーから寄せられた要望にしっかりと応えた形での進化が見られます。
特に、ずっと弱点とされていた空間系エフェクトやモジュレーションエフェクトが追加されたことは本当に嬉しい進化ですね。
TONEXは、このアップデートによって「単なるアンプシミュレーター」から「オールインワンのギタープロセッサー」へと進化しました。
Neural DSPのNano Cortexなど新しい競合製品が登場する中でのこのアップデートは、IK Multimediaがアンプモデラー市場における強い姿勢を示すものと言えます。
Nano Cortexについてはこちらの記事で詳しく紹介しています!
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