エアコン任せは要注意!日本の四季からギターを守る、正しい「湿度管理」

カテゴリー

ギターをいつまでも最高のコンディションで鳴らたい…!

でも日本の四季は、夏はじめじめ 冬はカラカラ、ギターにとって超過酷な環境です。

ギターは人間が「ちょっと過ごしにくいな」と感じるよりもずっと敏感な「生きている楽器」。
特にアコギなんて、その体だけで音を出している楽器なのでなおさら影響は大きいですよね。

今回は、そんなギターが快適に過ごせる理想の環境づくりについて、僕が取り入れてみてよかったもの(加湿器と除湿機)についてご紹介します。

木は「呼吸するスポンジ」

まず最初に知っておきたいことは、ギターの材料の核である「木」の性質です。
木は楽器の形になってからも、ずっと空気中の水分を吸ったり吐いたりしています。

イメージとしては、「精密に組み立てられたスポンジ」

スポンジは水を吸えば膨らみ、乾けば縮みます。
ギターのボディも僕たちが気づかないレベルで常に数ミリ単位で膨らんだり縮んだりしているんです。

極端な湿度変化がギターによくない理由

ギターはさまざまな種類の木材をボンドなどでガッチリ組み合わせて作られています。

  • 湿度が上がると: 木が膨らんで、行き場を失った表面が「ぷくっ」と盛り上がる。
  • 湿度が下がると: 木が縮んで、無理に引っ張られた部分が「パキッ」と割れる。

この「膨らむ・縮む」がストレスとなり、ギターの寿命を縮める最大の原因となります。
だからこそ加湿器や除湿機を使って湿度を一定に保つ工夫をしてあげる必要があります。


冬の乾燥

冬場は人間の肌もカサカサになる時期ですよね。

湿度が40%を切ってくると、ギターは徐々に悲鳴を上げ始めます。

乾燥で起こるトラブル

  • トップ板の陥没とビビリ: トップ板が乾燥でヘコんでしまい、弦が指板に近づきすぎていつもとは違う変な音が鳴るようになる
  • フレットの「バリ」: 木は縮むが、金属のフレットは縮まない→指板の横から鋭い金属が飛び出しチクチクする
  • ボディーの割れ: 限界まで乾燥すると、ついには木が耐えきれずピシッと割れてしまう→修理代高額の最悪のパターン

夏のじめじめ

逆に、梅雨から夏にかけての湿度は、ギターを膨らませてしまいます。

多湿で起こるトラブル

  • 弦高が高くなる: ボディが膨らむとブリッジが押し上げられ、弦が指板から遠くなる→弾きにくくなる
  • 接着剤が剥がれる: ギターを繋いでいるボンド=湿気に弱い→最悪の場合、弦の張りに耐えられなくなったブリッジが「バキッ」と剥がれ落ちることも…
  • カビやサビ: 湿度80%を超えると、ケースの中でカビが生えたり、金属パーツが錆びたりする

「エアコンだけ」ではダメな理由

エアコンは温度を変えるのは得意ですが、湿度を一定に保つのは意外と苦手です。

エアコンの弱点「湿気戻り」

冷房を使っているとき、エアコンの中では「除湿」が行われています。
エアコンのおかげで室温がどんどん下がっていくと同時に、湿度も下げることができます。

でも、部屋が冷え切ってエアコンが一旦休憩に入ると、中についていた水滴が再び風に乗って部屋に戻ってしまいます。

これを「湿気戻り」と言い、せっかく下がった湿度が急上昇する原因になります。

これはドライ(除湿)運転でも同じなので、ドライに設定しているのに湿度が下がらないことは頻繁にあります。(外の湿度が高い時など)

つまり、あくまでもエアコンは室温の調整をする役割に特化しており、湿度管理はおまけ程度か、場合によっては頼りにならないことも多いです。

ダイニチの「LXシリーズ」で手間なく加湿

冬の乾燥からギターを守るには加湿器が必須ですが、安価なものだと「加湿しすぎて結露する」「電気代が高い」といった悩みもあります。

そこで調べまくって最終的に選んだのが、ダイニチの「LXシリーズ(ハイブリッド式)」です。

「ハイブリッド式」を選んだ理由

ハイブリッド式は、「気化式」と「温風式」のいいとこ取り。

  • 一気に加湿したいときは温風で。
  • 湿度が安定したら、電気代の安い気化式の風で。これを自動で切り替えてくれるので、ギターに最適な50%近くをピタッとキープしてくれます。

手入れが「神」レベルにラク!

業界初!カンタン取替えトレイカバー
ダイニチ工業公式サイトより
3カ月に1回、新しいフィルターに取り換えるだけ。
ダイニチ工業公式サイトより

いくつかシリーズがある中でLXシリーズには、「使い捨てパーツ」という画期的なシステムがあります。

  • カンタン取替えトレイカバー: 1シーズン使ったら捨てるだけ。面倒な掃除から解放される
  • カンタン取替えフィルター: これも1シーズンで交換するだけ。常に清潔な風が送れる

以前使っていた加湿器は、数週間ごとにフィルターをクエン酸や重曹などを使って掃除したりしていましたが、すごく時間が取られるし何より面倒…
1シーズンずっとつけたままでもまったくお手入れする必要がないのは本当に助かっています。

スペックと電気代(LXシリーズ)

最大加湿量960 mL/h(部屋を速攻で加湿!)
ecoモードの電気代約 171 円 / 月(1か月つけっぱなしでOK!)
運転音13 dB(寝室に置いても気にならない)

疑問:「他の加湿器でも使い捨てしたらいいのでは?」

という疑問が浮かんできますが、結論から言うと、普通の機種でLXシリーズのような使い方をするのは現実的ではありません。

そこには、メーカーが「使い捨て専用」として設計したモデルならではの決定的な違いがあるからです。

コストが高い

一番のネックは、維持コスト。

ダイニチのLXシリーズの使い捨てトレイやフィルターは、あらかじめ「安い消耗品」として設計されています。

一方で、一般的な加湿器のトレイやフィルターは10年使うことを想定して設計されています。

これを毎シーズン買い替えようとすると、1回で大きな出費になります。
数年で本体がもう一台買える計算になってしまうため、コスパが非常に悪いです。

「シーズン中の掃除」からは逃げられない

普通の加湿器のフィルターは「洗って繰り返し使う」ことが前提の素材です。
たとえ1シーズンで捨てるつもりでも、つくりがそのように想定されていないので、数週間使い続けているとカルキで固まってきたり雑菌が繁殖したりして加湿能力が落ちたり健康への影響が出たりします。

つまり、クエン酸などでこまめに掃除するように作られている以上はその手間は必要になるんです。
その点、ダイニチの使い捨てモデルは「汚れたら捨てるだけ(洗わなくていい)」という設計思想なので、日々の負荷が根本的に違います。

トレイの「ヌメリ」

普通の加湿器で最も面倒なのは、入り組んだ形状のトレイ掃除です。
ダイニチは、トレイ本体に被せる薄いプラスチック製の「取替えトレイカバー」があります。

普通の機種を使い捨て運用する場合、トレイそのものを毎年買い換えない限り、トレイのヌメリ掃除からは逃れられません。
でもトレイ本体を買い替える人は普通いないし、できても高価です。
「汚れる部分だけを安く取り替える」という設計思想は本当に楽です。

業界初!カンタン取替えトレイカバー
ダイニチ工業公式サイトより

「とにかく掃除をしたくないけど清潔でもありたい!」という僕にとっては、最初から使い捨てコンタクトのような感覚で設計されているものを選ぶのがタイパ的にもコスパ的にもよかったです。

疑問:加湿器は空気清浄機に付属しているものでいいのでは?

僕もはじめはそう思っていましたが、いろいろ調べたり友人の失敗談を聞いたりする中で、加湿器は単体機を選ぶのが正解だと感じました。

「カビを撒き散らしマシン」になる恐怖

空気清浄機は「部屋の空気を循環させる」のが仕事です。

もし加湿フィルターにカビが発生していたら、加湿された風と一緒にカビの胞子が部屋中に、そしてギターやサウンドホールの中まで効率よく送り込まれてしまいます。

ギターの内部(アコギのブレイシング周りなど)は未塗装の木材が露出しているため、一度カビが根付くと除去は至難の業。

せっかく空気を綺麗にしているつもりが、ギターにカビを植え付けている…という本末転倒なことにもなります。

また、友人の話ですが、毎日微熱が続き、頻繁に咳をしている日が多くなっていました。
病院に行っても咳止めの薬など対症療法的な対応しかできず原因を探っていたときに、試しに寝室の空気清浄機の電源を切って一晩寝たら、次の日には体調が回復していたということがありました。

フィルターの掃除はたまにしていたそうですが、十分ではなかったみたいです。

これは「過敏性肺炎」や「加湿器病」と呼ばれるものに近い状態だそうで、手入れの不十分な加湿フィルターから放出されたカビや雑菌を、寝ている間にずっと吸い込むことから起きる症状です。

良かれと思ってやっていたことが、ギターだけでなく自分の体にも悪影響があると思うとこわいですよね。

パワー不足と精度不足

空気清浄機の加湿機能は、あくまで「おまけ」であることが多いです。

パワー不足: 冬場の乾燥が激しい時期、おまけの加湿能力では目標の湿度(50%以上)に届かないことがあります。

ギターにとって一番怖いのは湿度の乱高下
パワー不足で湿度が安定しないのは、木材にとって大きなストレスになります。

センサーの精度の問題: センサーが本体付近の湿度しか感知できず、部屋の隅にあるギター周辺はカラカラのまま、ということもあります。

除湿機でカラッと除湿

夏の湿気対策には、「コンプレッサー式」の除湿機がおすすめです。

その中でも、コスパと性能を総合的にみて僕は山善の「EBDC-H45」を選びました。

「コンプレッサー式」を選ぶ理由

除湿機にはコンプレッサー式とデシカント式がありますが、コンプレッサー式は「夏に強く、電気代が安い」のが特徴。

デシカント式はどうしても温風が出てくるので室温が数度あがってしまいますが、コンプレッサー式だとそこまで心配はいりません。

山善 EBDC-H45 のいいところ

  1. 4.5Lの大容量タンク: 安い除湿機はすぐに水がいっぱいになって止まってしまいますが、これは1日中ほったらかしでもしっかり除湿してくれます。
  2. 5%刻みの湿度設定: これが一番重要!「50%」や「55%」に設定しておけば、湿度が上がったときだけ動き、下がったら自動で止まるので「除湿しすぎ」を防げます。

EBDC-H45 スペック表

除湿能力最大 6.0 L / 日(ペットボトル3本分!)
消費電力約 210 W(1時間あたり数円程度)
タンク容量約 4.5 L
湿度設定40% ~ 70% で細かく設定可能

雨の日の朝につけて外出し、夕方家に帰ってきたらタンクの中にはたっぷり水が入っています。

キッチンでばしゃーっと水を流すたびに「この水分をギターが吸わなくてよかった…」とほっとしています笑

まとめ:ギターへの投資は「環境」から

蜜蝋ワックスを塗ったりポリッシュで掃除したりするメンテナンスもいいですが、一番のメンテナンスは「部屋の空気を整えること」だと僕は思います。

多くのギターが作られているアメリカは、日本のように多湿になることはありません。
なので、もちろんですがアメリカの気候に合った作りをしているわけで、日本で使うためには湿度管理はおのずと必須になります。

湿度管理をしておくと大切なギターの弾き心地をキープできるだけでなく、リペアに出して高額を払うことも避けられますよね。(そんなのに比べたら電気代なんてタダみたいなもの)


ギターは言葉を話せませんが、ネックの反りやボディの膨らみで一生懸命「苦しい!」とサインを送ってきます。

そのサインを出させる前に快適な環境をつくってあげるのも、僕たちができるメンテナンスの一つだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました