【比較レビュー】Fender Tone Master FR-10はアンプライクなFRFRスピーカー! Spark CABとの違い

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以前Spark CABを購入しましたが、XのフォロワーさんがFenderのFRFRスピーカー「FR-10」を購入したのを見て気になり、迷った末にそっちも購入してみました。

せっかくなのでSpark CABと比較しながら、特徴やサウンドをレビューしていきます!

まずは結論から
・Spark CABとFR-10は方向性が違うけれど、音の良さはどちらも秀逸
・FR-10はフラットさもありつつ、アンプライクな出音で弾き手が気持ちよく演奏できる、言わば「気の合う友達」
・Spark CABは原音に忠実に出力することに全振りした言わば「忠実なアンドロイド」
・どっちも良くて、プレイヤーとしての気持ちよさをとるのか、クリエイターとしての完成度をとるのか


FR-10の特徴

Fender FR-10は「FRFR(フルレンジ・フラットレスポンス)」スピーカーに分類されます。

つまり、特定の色付けをしないで、Quad Cortexやその他マルチエフェクターからの音をそのまま出すことを目的に作られたスピーカーです。

サイズは10インチ、出力は(ピーク時で)1000W。
持ち運びやすいサイズ感で、自宅からスタジオ、ライブハウスまで対応できます。

特に特徴的だと感じたのが「物理ツマミがある」という点です。
Spark CABには物理的なEQのツマミがなく、調整は全て接続元で行うしかありません。
その点、FR-10にはEQのツマミが搭載されています。

スピーカーの出音にだけ反映されるのでライブでPAに送られる信号にはまったく影響しないのですが、環境によっては背後から聞こえる音に違いがでる場合に手軽に調整できます。

特に「Cut」のツマミは、部屋の反響や床の材質で高音が耳に刺さるときなど、環境に合わせて柔軟に調整できます。
実際に使ってみるとトレブル・ミドル・ベースは説明書でも推奨されている12時のままで、Cutだけを微調整する程度でいい感じに整ってくれています。


サウンドの印象

FR-10は「アンプらしさ」がある

FR-10のサウンドの特徴としてはじめに一番感じたことは、「アンプらしさ」を持っているということ。

以前購入したSpark CABは、いい意味で「スピーカーそのもの」という感じで原音を忠実に出してくれる一方、少し無機質で無表情に感じることもあります。

対してFR-10は、同じFRFRながらもアンプのような箱鳴り感があり、弾いていて心地よさを感じられます。

ただ、この2機種の出音の違いは、FRFRスピーカーという特性もあり劇的に違うということはありません。

実際に弾き比べてみて

両方を並べ、それぞれを同時にQuad Cortex(同じプリセット)に接続して弾き比べてみましたが、何度も切り替えてみてようやく音の違いや特徴に気づくかなといった感じで、どちらも十分にクオリティの高い音を出してくれます。

違いは「弾き手がどう感じるか」に寄る部分が大きく、Spark CABの冷静でクリアなキャラクターを好む人もいれば、FR-10の少し温かみを持ったキャラクターに魅力を感じる人もいて、結局は好みの領域な気がします。


いいところ

Fenderのネームバリューによる安心感

Screenshot

もとはアンプメーカーであったフェンダー。
その長い歴史とブランドの信頼性はやっぱり大きな安心感につながります。

自分自身もフェンダーが好きということもあり、所有欲をしっかり満たしてくれました笑

サイズのわりにしっかりした出力

10インチスピーカーながら1000Wという出力を備えているのは心強いポイント。

スタジオでもバンドに埋もれず、ライブでも十分に音量を確保できます。

コンパクトでありながら実用性の高いパワーを持っているのが魅力です。

アンプライクな鳴り方

FRFRスピーカーでありながら、箱鳴り感を感じられるのが特徴。

単にフラットに鳴らすだけでなく、ギターアンプ的な心地よい響きが加わることで、弾いていて気持ちよく演奏に没頭できます。

この「アンプ感」が最大の特徴!

物理ツマミの存在(特にCutは有能!)

Screenshot

Spark CABにはない物理ツマミが搭載されているのも強みです。

いつでも即座に音量やEQを直感的に調整できるのは大きな安心材料。

特に「Cut」のツマミは高域をうまくコントロールしてくれ、耳に刺さらない自然な響きに整えやすく、かなり重宝します。

シンプルで馴染みやすいデザイン

自宅に置いてみた

Blues JuniorやHot Rod Deluxeのような、フェンダー伝統のデザインを受け継いだ見た目がかっこいい。

派手さはなくとも落ち着いた風合いがあって、部屋に置いても違和感なく馴染みます。

機材感を前面に押し出すのではなく、インテリアの一部のように収まってくれるのもポイント。

スタンド付き

付属のスタンドを使ってちょっと角度をつけることで、耳にまっすぐ音が届くようになります。

また、床に置いたままだとどうしても低音が強くなりがちですが、斜めにすることで全体のバランスが自然になってクリアに聞こえます。

気になるところ

重量がややある

約15kgという重量は、家庭で据え置きして使う分には特に問題ありませんが、スタジオやライブ会場に頻繁に持ち運ぶ人にとっては少し負担になるかもしれません。

車移動であればまだしも、カートにのせての徒歩移動をする場合にはその重さがじわじわと響いてきそう。

持ち手はしっかりしているので運びやすさは考慮されていますが、それでも「気軽に片手でひょいと」というわけにはいかない点は覚えておいた方がいいかも…

でもFRFRを検討している人は重さに関してはきっと覚悟済みですよね…?笑

価格は安くない

他社のFRFRスピーカーと比べると、どうしても価格は若干高めに感じます。

もちろんFenderブランドの安心感や、アンプライクな鳴り方、便利なツマミ類などを考えると値段相応の価値はありますが、「一度FRFRを試してみたい」という人にはちょっとハードルが高いのも事実。
Spark CABのように手軽に導入できる価格帯と比べると、その差は無視できません。

ただ、このスピーカー特有の「忠実かつアンプライクな響き」だけでも個人的には投資する価値のある機材だと思いました。

Spark CABとの比較

Spark CABは「原音をそのまま出す」ことに特化していて、価格的にもかなり手に取りやすいのが魅力です。

低価格ながら安定した出音で、まさに「いい意味でのスピーカー」という印象。
その一方で「無表情で会話しているような感覚」とも言え、少し物足りなさを感じることもあります。

対してFR-10は、アンプ的な鳴り方をすることで「弾いていて楽しい」という感覚をプラスしてくれます。

さらにツマミの存在によって、自分のモニター環境を細かくコントロールできるのもFR-10ならでは。

価格はSpark CABよりも上がりますが、「よりアンプライクな感覚」と「物理的に触れる安心感」を重視する人には魅力的です。

出音そのものの違いは大きくなく、ABテストをして分かる程度。
最終的には「プレイ感覚をどう重視するか」で選択が分かれるスピーカーだと思います。


まとめ

Fender FR-10は、FRFRスピーカーでありながらアンプらしさを感じさせてくれる一台です。

Spark CABと比べると少し価格も重さも上がりますが、「弾いていて気持ちいい」という要素を大切にしたい人にはぴったり。

さらに物理ツマミ、特に「Cut」の存在は、実際の演奏環境での安心感につながります。
ライブでの出音には直接影響しないものの、即座に音をコントロールできるのは大きな魅力です。

Spark CABが「忠実なアンドロイド」だとしたら、FR-10は「気の合う友達」みたいな感じ。
どちらも良いスピーカーですが、どちらが自分に合うかはプレイスタイルや好みによって変わってきます。
僕自身は両方を並べて試してみて、それぞれの魅力を実感しました。
興味がある方は、ぜひご自身の目的やスタイルに合った方を選んでみてください!

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