【レビュー】Fender Tone Master Deluxe Reverb デジタル版デラリバの魅力

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マルチなどで音作りをする時、さまざまなアンプモデルを試してみても最終的に「やっぱりこの音!」といつも戻ってきてしまうアンプはありませんか?
僕にとってはそれがFenderのDeluxe Reverbでした。

でも、本物のチューブアンプを手に入れるとなると、

・重い
・家で鳴らすには音量が大きすぎ
・真空管のメンテに気を遣う

そんな悩みを解決してくれたのが、FenderのTone Master Deluxe Reverb
見た目はそのままに、チューブアンプのサウンドをデジタルで再現しているという触れ込みで、登場したときからずっと気になっていました。

購入するまでに少し迷ったものの、そのかっこいいデザインに惹かれてつい衝動買い。
この記事では、デラリバが気になっている方に向けて、実際に使ってみて感じたことやこのアンプが持つ魅力についてご紹介していきます!

Deluxe Reverbが愛される理由

Deluxe Reverbは1965年に登場したブラックフェイス期の代表モデルで、以来定番中の定番となっています。
クリーンは透き通るようで、音量を上げていくと自然なクランチに変わっていく。
そのスイートスポットがちょうど良い音量で訪れるのが大きな魅力です。

さらにこのモデルから内蔵スプリングリバーブを搭載。
それより以前は別のリバーブユニットを用意する必要があったので、当時のギタリストにとっては画期的だったそうです。

この22Wという出力も絶妙で、バンドと合わせても十分鳴らせる一方、現代のPA環境でも問題なく扱える。
その実用性が、多くのレジェンドに選ばれてきた理由だと思います。

実際、ビートルズをはじめ、ロベン・フォードやエリック・ジョンソンなど、多くのギタリストが愛用してきました。

Tone Masterシリーズの狙い

今回のTone Masterシリーズは、単に「似せた音を作る」だけではなくツマミによる音の変化など「本物と同じ挙動をする」ことを目指して開発されたそうです。
開発チームはブラックフェイス回路を徹底的に解析し、その動作を数年かけてデジタルで再現。

内部には100Wのデジタルパワーアンプが搭載されていて、実際には22Wチューブアンプのダイナミクスを再現するように設計されています。

また、フェンダー伝統のスプリングリバーブを再現するために、実際のリバーブタンクを解析して膨大なサンプルを収録。

こうした徹底したこだわりが、本物と遜色のないリアルなサウンドを生み出しているんですね。


実際に使ってみて感じたこと

見た目はほとんどオリジナルと変わりません。ノブのレイアウトからロゴの配置まで本当にそっくりで、部屋に置いたときの存在感は完全に「本物のデラリバ」です。

ただ、持ち上げた瞬間に全然違う。
19kgあるチューブ版に対して、このTone Masterは約10kg。
この軽さはライブやスタジオに持ち出すときに圧倒的に助かります。

音は、クリーンやローゲインの領域ではほとんどチューブと区別がつかないレベル。
実際に弾いていても「これで十分」と思える場面が多く、エフェクターも素直に反応します。
ただ、ボリュームをしっかり上げていくと、やっぱりチューブのサグ感や独特のコンプ感は少し違う気がします。

それでも重さ、音の大きさ、真空管のメンテなどのことを考えたら断然こっちのほうが僕は安心して楽しめてます!


背面の機能が便利すぎる

Tone Masterが現代的に進化しているのは背面パネル。

  • パワーアッテネーター:22Wから0.2Wまで6段階で調整可能。自宅でもクランクアップの音を楽しめる
  • XLRアウト:キャビシミュ付きで、PAやオーディオインターフェイスに直結できる
  • USBポート:ファームウェア更新に対応

0.2W設定ではだいぶ音量をおさえられますが、最低でも1W以上のほうがこのアンプのよさを引き出しやすいです。

また、録音もXLRアウトで簡単に試してみましたが、マイキング不要で安定した音が録れるのは想像以上に便利だったし、何より音が良すぎて感動しました。


気になるところ

0.2Wは使いものにならない

Tone Masterシリーズは、本物のチューブアンプと同じようにある程度音量を上げることで、パワーアンプが独特のコンプ感を生み出すように設計されています。
でも0.2Wではこの部分があまり機能せず、アンプ本来の音を再現することが難しい。

アンプのポテンシャルを最大限に引き出すには、ある程度の音量は必要です。

修理ができるか心配

これはデジタル機材の宿命で、長期的に部品供給やサポートが続くかどうかは不安要素です。

Tone Masterは専用の回路やチップに依存しているので、もしダメになったらそこで終わりになってしまう可能性はゼロではありません。

でも逆に考えると、チューブみたいに消耗するパーツがないから今この瞬間の音はずっと変わらない。
それにデジタルだからこそチューブほど気を遣って取り扱う必要もない。

そう割り切ると、軽さとか便利さとか、このアンプならではの強みがすごく魅力的に思えてきます。


まとめ

Tone Master Deluxe Reverbは、デラリバの音が好きな人にはおすすめできます。

ただ、逆に「チューブの生っぽさ」が判断基準の全てを占める人にとっては物足りないかもしれません。

僕自身は、Quad Cortexのような便利なプロセッサーを持っていても気づいたらこのデラリバの音に戻ってしまう。
そんな「惹きつける力」を感じて結果的に衝動買いしたわけですが大満足です!

クラシックな見た目と伝統のサウンド、そして現代的な便利さを両立したTone Master Deluxe Reverb。
デラリバ好きのギタリストにとってかなり理想的な一台だと思います。

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