「憧れの曲を弾けるようになりたい。でも思うように上達しない。」
「練習すればするほど自分の未熟さを痛感する…」
こんな思いを抱きながらギターと向き合っている人は少なくないと思います。
でも実はその悩み、程度の差はあってもすべてのギタリストが通る道ではないでしょうか?
伸び悩む原因は、決して才能の問題でも自分の性格や根性の問題でもありません。
ただ、もしかしたら「自分に合った効果的な練習方法を探している途中なのかもしれない」と最近思うようになりました。
この記事では、僕が試行錯誤しながら、現時点では最適だと思う7つの練習ステップと、それでもどうしても弾けない時のちょっとした対策を紹介してみます。
どれも特別なものではなく、誰でも今日から始められるシンプルな方法ばかりです。
実践すればきっと練習がスムーズに進み、上達を実感できるはずです。(合わなかったらごめんなさい…)
ギターを始めた時の「あの曲が弾けたら…!」という気持ちを思い出しながら、いっしょにギターを楽しむ方法を見つけていきましょう!
1. ゆっくり聴く
「ギター練習の第一歩は、ゆっくりなテンポで弾くこと」
これはよく言われることですよね。
でもいきなり弾き始めるその前に、まずはテンポをぐっと落として、練習したいフレーズを聴き込むことから始めるのをおすすめします。
テンポを落とす方法はアプリやChromeの拡張機能などさまざまありますが、僕はMacのCapoというアプリを使っています。(WindowsやiOSにも対応)
テンポの変更と、指定箇所のリピート機能さえあればどんなアプリでも問題ありません。
具体的には、ゆっくりのテンポで練習フレーズを聴きながら、楽譜を目で追っていきます。
このとき、メロディーの流れや全体の構造をつかむことに集中しながら聴いていると、
「ここは難しそうだと思っていたけど、パターンをつかめばいけそうだな」
とか、
「楽譜には書かれていないけど、ここはスライドしながら入ると本人っぽいな」
など気づくことが多々あります。
こうしてゆっくり聴きながらフレーズ全体を把握することで、いざ練習を始めた時に具体的にどの部分を重点的に練習すべきかがわかります。
この「聴く」時間は何十分も必要ありませんが、ゆっくりテンポで10回程度集中して聴くと、全体像がだんだんはっきりしてきます。
2.ゆっくり弾く
ゆっくり聴いてフレーズの特徴がつかめたら、次は実際に弾いてみます。
ここでも先ほど聴いたゆっくりのテンポに合わせて、ゆっくりと弾きます。
この「ゆっくり聴く→ゆっくり弾く」というステップを踏むことで、フレーズ全体の流れをつかみながら、抵抗感なく練習を始めることができます。
3. 「つまずきポイント」をメモする
練習を始めると、必ず難しい箇所(=「つまずきポイント」)に出会います。
それは右手の複雑なピッキング、左手の激しいフィンガリング、イレギュラーなリズムパターンなどさまざまです。
これらのつまずきポイントをすべて頭に入れ、感覚的に弾けるようになることが最終的なゴールです。
でも、そこに至るまでに、まずはどこでつまずくかをはっきりとさせ「見える化」することが大切。
iPadでも紙の楽譜でもいいので、曲を練習しながら難しいと感じた箇所に自分なりのメモをどんどん書いていきます。
誰に見せるでもないので、ぱぱっと自分がわかるように書けばどんな形でもOKです!
上の画像はソロギターを練習していた時のメモですが、普段あまりおさえない形を意識できるように指の名前を書いたり、青い印のように一部だけ押さえるところが変わるところを目立たせたりしています。
何もメモが無い状態と比べると、つまずきポイントが出てきたときの瞬時の対応に差が出てきます。
ささいなことですが、こういった小さなストレスをなくしていくことが長い目で見た時にモチベーションに大きく影響してくると僕は思います。
紙(アナログ)かiPad(デジタル)か
メモをするとき、個人的にはアナログな紙の楽譜ではなくiPadなどのデジタルでのメモがやりやすいです。
iPadを使うメリット
・書き間違えても何度も消して書き直せる
・大きく拡大して細かい文字で書き込める
・iCloudなどに保存すればいつでもどこでも閲覧でき、紛失の心配もない
おすすめは比較的安価な第9世代の無印(airやproなどがついていないもの)で、ストレージも64GBで十分。
ペンは純正のApple Pencilが僕は好きですが、少し価格が高いのが残念なところ。
予算が限られている場合は他社の互換品でもメモ程度の用途であれば全然問題なく使えます。
4. メモしたところをリピート練習する
つまずきポイントをメモしたら、次はメモしたところを一つ一つ集中的に練習してつぶしていきます。
その時にCapoのようなアプリでテンポを落とし、特定の部分だけを延々とリピート再生して何度も練習すると効率的です。
同じフレーズを何度も繰り返すことで、頭で考えて動かしていた指の動きが自然なものになって、徐々に頭を使わなくても速いテンポで弾けるようになっていきます。
マリオのゲームでも、初めて1-1をプレイする時はさぐりさぐりゆっくり進みますが、何時間もやっていたらダッシュでゴールまでいけるようになるのと同じ…なのか?笑
5. 一つのつまずきポイントだけに意識を集中する
もしリピート再生中のフレーズに複数のつまずきポイントがある場合、同時に克服しようとするには負担が大きすぎます。
そのため、まずは一つのつまずきポイントに絞って練習することをおすすめします。
例えば、リピート再生の部分を全体的に練習はするんだけど、「この連続プリングのところだけは確実に弾こう」というように小さな目標を立てて、そこだけに一点集中します。
他の部分ではどんなにミスをしても気にしないしどうでもいいから、今立てた目標だけは必ず達成する。
そんな意識で少しずつ前に進んでいきます。
最初は数多くのつまずきポイントがメモにあらわれて焦ることがあるかもしれませんが、一つずつ確実に克服していくことで、最終的には必ず全体をスムーズに弾けるようになります。
6. 徐々にテンポをあげつつ自分にプレッシャーをかける
ゆっくりなテンポですらすら弾けるようになったら、次は徐々にテンポを上げていきます。
ここで重要なのは、欲張らないことです。
テンポを上げるときは数%ずつ「ちょっと手応えがあるけどなんとかすらすら弾けそう」という程度にとどめます。
早く弾けるようになりたくて大幅にテンポを上げると、急に弾けなくなって萎えてしまうからです笑
また、このあたりで大まかには弾けるようになっていることが多いですが、同時に油断や集中力の低下も起こりやすい頃です。
そんな時は、自分にプレッシャーをかけてみるのも効果的です。
例えば、「もし1回でもミスしたらこの後◯◯が起こる」など最悪な出来事がふりかかると決め込んで弾くと、絶対に間違えないように集中力が蘇ります笑
7. 疲れ始めたころに休憩する
複雑なフレーズの練習は、疲れれば疲れるほど難しくなります。
これは、何本も坂道ダッシュをしていたら前半と後半でペースに大きな差が出るのと同じ原理です。
疲れを感じ始めたら、僕は無理をせずに休憩します。
ゆっくり休むことで手の疲れがとれるだけでなく、頭もリフレッシュします。
その結果、休憩後はさっきより上手く弾けるようになるなんてこともよくありますよ!
YouTubeやSNSで練習曲の「弾いてみた」動画を観ると、休憩にもなるし演奏のイメージも改めてつかめるので一石二鳥です!
それでも弾けない時の対策
上記の7つのステップを踏めば、どんどんつまずきポイントがなくなってすらすら演奏できるようになるはずです!
でも、それでもなかなか思うように弾けない場合だってきっとありえますよね。
そんな時は、以下の小技を試してみてください。
1. ピックを変えてみる
意外かもしれませんが、ピックを変えるだけで演奏が大きく変わることがあります。
ここでいう変化とは、音の変化ではなくミスタッチが減るという意味です。
ぜひいろんな形や厚みのピックを用意し、リピート練習を1回するたびに手持ちのさまざまなピックを取っ替え引っ替え試してみてください。
うまくいかなかったピックは脱落。
すぐにケースに戻し、最終的に手元にはオーディションを勝ち上がった数枚のピックだけが残ります。
その中でさらにミスが少なく演奏できたもの1枚を選び、練習を続けてみてください。
そうすると、なぜかほんのちょっと弾けるようになることがあります。
僕自身、以前Xに投稿した「忘れてやらない」のソロパートもピックを変えたことで少しスムーズに弾けるようになりました。(ほんとに!)
こちらが数あるピックの中から勝ち抜いた1枚。
速い動きのあるフレーズの時に使うと弦に引っかかる感じが減り、スムーズに演奏できるのでおすすめです。
柔らかい⇆硬い
大きい⇆小さい
先が尖っている⇆丸みがある
手元にいろいろなピックがないと難しいですが、機会があれば騙されたと思ってぜひ試してみてください!
2. もう寝る
これは決して諦めるということではありません。
また、単に身体を回復させるという意味でもありません。
不思議なことに、昨日の自分にはできなかったことが今日の自分にはなぜかできるようになっているなんてことがあるんです。
僕はこのようなことを何度も経験するたびに、弾いた回数と上達度は必ずしも比例するとは限らないんだなぁと感じます。
イライラしながらの練習量よりも、すっきりとした気持ちで練習を継続して積み重ねられる質の高さのほうが大切だと僕は思います。
ただ、いきなり昨日と同じテンポから始めても昨日の感覚を取り戻しにくいです。
まずは復習がてらゆっくりテンポで始めて、徐々に昨日のテンポまで上げていくとスムーズに練習を進められますよ!
おわりに
ギターの練習は、時に挫折しそうになるほど難しく感じることがあります。
でも自分なりの方法を見つけて取り組めば、誰でも上達することができます。
この記事で紹介した7つのステップ(と2つの小技)をヒントに、自分なりの練習ステップを見つけ出せると上達のスピードも飛躍的に上がるはずです。
最後に…
一番大切なのは、楽しむこと。
試行錯誤する過程を楽しみ、小さな成長を喜びながら、ギターの技術をいっしょに磨いていきましょう!!
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